全身性エリテマトーデス(SLE)の医薬品治療
現代医療ではステロイドを含めた免疫抑制剤の投与につきます。
以下にSLEの現代医療による薬物治療の概略を述べます。
- ステロイド
SLE病態(SLE疾患活動性)別に初期ステロイド量を決定します。初期ステロイド量は2〜4週間継続します。症状が安定していれば、漸減していきます(10%/1〜2週間の減量ペース)。最終的に5〜15mgの維持量とします。 - 免疫抑制剤
- エンドキサン(サイクロホスファマイド)
点滴で行うパルス療法(月1回500 〜1000mg)と内服(50〜100mg/日)の連日投与があります。出血性膀胱炎は有名な副作用です。そのほか、感染・発がんなどの副作用があるため、長期服用は問題があります。 - イムラン(アザチプリン)
内服(50〜100mg/日)の連日投与です。皮疹、血管炎などに有効とされています。 - プレディニン(ミゾリビン)
ループス腎炎で使用されます。 - ネオオーラル(サイクロスポリン)
ループス腎炎で使用されます。 - セルセプト(マイコフェノール酸モフェチール)
重症ループス腎で効果があるとされています。
- エンドキサン(サイクロホスファマイド)
- 生物学的製剤、プロテアソーム阻害薬
現代医療の全身性エリテマトーデス(SLE)薬物治療としてリツキシマブに続き、ベリムマブという生物学的製剤の第2相試験の有効性と安全性が報告されました。これはB細胞の抑制と自己抗体産生抑制効果があるとされている薬剤です。
また、低分子化合物では、プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブがマウスでループス腎炎を抑制したという結果が出ているようです。
<次のページ:全身性エリテマトーデス(SLE)に対する生物学的製剤リツキシマブ(リッキサン)について>