SLE(全身性エリテマトーデス)の疾患活動性

SLE(全身性エリテマトーデス)の疾患活動性(2)

BILAG Index(1988)

●神経系症状

項目 定義
24 意識レベルの低下 薬剤、感染症、合併症によるものは除く
25 急性精神症状、せん妄、又は錯乱状態 妄想、幻覚、思考錯乱、明らかな非論理的思考、奇妙あるいは緊張性行動を特徴とする現実認識の重度の障害(薬物乱用、原発性精神障害に起因するも のは除く)
26 けいれん大発作 他覚的に認めるもの
27 脳卒中/脳虚血症状 急性lupus炎症に起因するもの(動脈硬化、血栓塞栓、低血糖、血管奇形、腫瘍、膿瘍を除く)
28 無菌性髄膜炎 急性/亜急性の発現、頭痛、neck stiffness、発熱、髄膜刺激症状、脳脊髄液異常(蛋白上昇、リンパ球優位)
29 多発性単神経炎 炎症による複数の神経炎
30 上行性又は横断性脊髄炎 急速に進行する不全対麻痺、四肢不全麻痺、又は感覚レベル低下(髄内/髄外の占拠性病変によるものを除く
31 末梢または脳神経障害 急性の対称性の末梢又は中枢性の感覚及び/又は運動障害
32 視神経乳頭浮腫/綿花状白斑
33 舞踏病 薬剤性によるものを除く
34 小脳性運動失調 他の中枢神経症状とは別のもの、脳幹梗塞によらない。通常、亜急性に出現
35 重度の持続性頭痛 3日以上の持続的頭痛で非麻薬性鎮痛薬では寛解しない(頭蓋内の占拠性病変、及び中枢神経系への感染によるものは除く
36 器質性うつ病 Lupusに起因。身体症状を伴い、抗うつ剤治療を要する重度のうつ状態
37 偽脳腫瘍を含む器質性脳症候群 代謝異常、精神病または薬物に起因しない見当識障害、記憶障害その他の知的機能の障害。臨床症状が短期に発現し、日内変動する傾向がある。a)集 中力及び周囲への関心持続の低下を伴う意識混濁、b)@認知障害:誤解、錯覚又は幻覚、A会話錯乱、B不眠又は日中眠気、C精神運動活動の亢進又は低下、 c)失見当識及び記名力低下
38 たまにみられる偏頭痛 Lupusに起因する再発性の頭痛(通常4-72時間持続)

カテゴリー分類

定義
A 以下の何れか1項目が3(悪化)又は4(新たな出現):
  • 意識レベルの低下
  • 精神症状、せん妄、又は錯乱状態
  • 痙攣大発作
  • 脳卒中又は脳虚血症状
  • 無菌性髄膜炎
  • 多発性単神経炎
  • 上行性又は横断性脊髄炎
  • 末梢又は脳神経障害
  • 舞踏病
  • 小脳性運動障害
B 以下の何れか1項目が3(悪化)又は4(新たな出現):
  • 頭痛(重度で持続性)
  • 器質性うつ病
  • 偽脳腫瘍を含む器質性脳症候群
  • 視神経乳頭浮腫/綿花状白斑
(OR) 以下の何れかが1項目が1(改善)又は2(不変):
  • 意識レベルの低下
  • 精神症状、せん妄、又は錯乱状態
  • 痙攣大発作
C 「たまに見られる偏頭痛」が、1(改善)、2(不変)、3(悪化)又は4(新たな出現)
(OR)
以下の何れか1項目が1(改善)又は2(不変):
  • 脳卒中又は脳虚血症状
  • 無菌性髄膜炎
  • 多発性単神経炎
  • 上行性又は横断性脊髄炎
  • 末梢又は脳神経障害
  • 舞踏病
  • 小脳性運動障害
  • 頭痛(重度で持続性)
  • 器質性うつ病
  • 偽脳腫瘍を含む器質性脳症候群
  • 視神経乳頭浮腫/綿花状白斑
D 神経系症状の既往はあるが、現在症状消失
E 神経系症状の既往なし