SLE(全身性エリテマトーデス)に伴う肺高血圧症の治療について
SLE(全身性エリテマトーデス)の合併症の中で肺高血圧症は最も致死的な合併症の一つです。肺高血圧症を合併する他の膠原病として強皮症、混合性結合組織病(MCTD)、多発性筋炎・皮膚筋炎があります。
症状が出たときは、すでに肺動脈組織が慢性炎症によって不可逆的に変化していますので、治療は困難を極めます。また、SLE(または医薬品による)に特異的な間質性肺炎から肺高血圧に進展する場合もあります。
早期診断・早期治療が必要です。SLEでの肺高血圧症の早期診断には心エコー検査が必要です。SLEの肺高血圧症確定診断ではカテーテル検査が必要となります。
肺高血圧症の治療薬は、ボセンタン(トラクリア)というエンドセリン受容体拮抗剤、PDE-5阻害剤(シルデナフィル)、プロスタサイクリン誘導体(エポプロステノール、ベラプロスト)があります。
SLEや混合性結合組織病(MCTD)による肺高血圧症では、ステロイドやサイクロフォスファマイド(エンドキサン)大量療法も有効な場合があります。