SLE(全身性エリテマトーデス)ニュース(5)


SLEにおける補体(C1q)欠損は、免疫複合体に含まれる核タンパク質へのインターフェロンαの反応を抑制できない

補体のC1qが欠損している人の大多数がSLEを発症します。C1q が欠損している人は、インターフェロンαなどの炎症性サイトカインの血中、髄液中の濃度が高いことが分かっています。しかし、C1q がSLEの発症を抑える機序は今まで分かりませんでした。

今回、C1qが免疫複合体によって産出されるインターフェロンαを制御することによってSLEの免疫複合体によってもたらされる慢性炎症を抑えることが報告されました(J Immunol. 2010 Oct 15;185(8):4738-49.)。

C1qは、SLEの免疫複合体を短核白血球(マクロファージ)に結合し、細胞内のエンドソームという場所で分解するように働きかけるようです。SLEの病態でできた自己抗原に対する免疫複合体を分解することで慢性炎症の発展が防ぐことができる可能性を示唆している研究と考えます。


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