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SLE(全身性エリテマトーデス)ニュース(4)


SLEにおけるトシリズマブ療法

SLEに対する抗IL-6レセプター抗体であるトシリツマブの使用結果(phase1)が報告されました(Arthritis Rheumatism 2010;62:542–552)。

数々のサイトカインが、 SLEの疾患活動性や、臓器障害に関係していますが、その中でも、IL-6 は様々な細胞に多面的は効果を発揮するサイトカインであり、重要な役割を果たしている。

SLEのネズミモデルでは、年齢とともに血清IL-6濃度が上昇し、IL-6レセプターの過剰な発現が認められることが報告されています。外因性のIL-6の投与は、自己抗体の産生を促進し、糸球体腎炎の進行を加速することも示されています。

IL-6やそのレセプターの阻害は、抗DsDNA抗体の増加や、蛋白尿の増加を抑制し、致命率を改善することが示されています。IL-6はループス腎炎においても重要な役割を果たしている可能性を示唆されています。

トシリツマブの評価は15人の患者で検討されました。2mgの投与を受けた2人は、個体差や治療反応速度の遅れはあるものの、4mgや8mgの投与を受けた11人と同じようなものでした。患者VASや医者 VASで計測される疾患活動性の指標は、治療終了時点では改善していました。その改善は軽度でしたが、統計学的に有意差があり、すべての指標で認められたという結果でした。

一方で、11患者(2 mg/kg投与群 4人 、4 mg/kg投与群 4人、8mg/kg投与群3人)で、合計16回の感染症が発生しています。2人の患者では感染症を繰り返しました。上気道感染が5回、尿路感染が3回でした。好中球減少が全例認められました。

今回の結果は、トシリツマブを使用したSLEの患者さんの短期間の観察ですので、その効果ははっきりしません。今後の大規模試験の結果が待たれるところですが、感染症の副作用が強いと難しいかも知れません。著者も以下の点でSLEに対するトシリツマブの効果を留保しています。

1つは、3か月という研究期間は、TCZのSLEにおよぼす長期間の毒性を評価するのには短すぎるということ。2つ目は、免疫抑制剤の併用を受けている患者を除外しており、日々の診療の状態を反映していないかもしれないということ。3つ目は、非盲検であり、コントロールグループ がないため、すべての結果は予備試験的な意味合いと考えるべきである。4つ目は、患者数が少ないため、3群間において公式な比較ができないということです。


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