SLE(全身性エリテマトーデス)ニュース(20)


全身性エリテマトーデス(SLE)で入院後の1年間は肺塞栓症のリスクが極めて高い

全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患で入院した患者さんはその後の1年間,肺塞栓症を発症するリスクが極めて高いことが論文報告されました(Lancet 2012年1月21日号)。肺塞栓症は突然死を引き起こす重要な疾患だけに、慢性病と侮ってはいけません。

一部の自己免疫疾患は静脈血栓塞栓症と関係することが分かっています。今回の結果から,自己免疫疾患は血液凝固亢進状態としてとらえる必要があることが示唆されています。たしかに全身性エリテマトーデス(SLE)では、血液凝固亢進状態のため妊娠しても流産する確率が高くなります。今後、自己免疫疾患に対して抗血栓薬を予防的に投与するかという問題が出てくるでしょう。

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→1964〜2008年に自己免疫疾患で入院した53万5,538例を対象に肺塞栓症発症との関係を検討した。

解析の結果,自己免疫疾患患者の入院後1年間の肺塞栓症発症リスクは一般人口の発症リスクと比べ極めて高く,標準化発症比(SIR)は6.38倍だった。33の自己免疫疾患すべてで入院後1年間の肺塞栓症の有意なリスク上昇が認められ,特に免疫性血小板減少性紫斑病,結節性多発動脈炎,多発性筋炎・皮膚筋炎,全身性エリテマトーデスはいずれもSIRが10倍を超えていた。

肺塞栓症のリスクは経時的に低下し,SIRは入院後5年目までが1.53倍,5〜10年が1.15倍,10年以降が1.04倍であった。


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