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SLE(全身性エリテマトーデス)ニュース(15)


56年ぶりに全身性エリテマトーデス(SLE)の新薬承認

全身性エリテマトーデス(SLE)は重篤かつ致死的な自己免疫疾患です。女性に好発し,発症年齢は通常15〜44歳です。関節,皮膚,腎臓,肺,心臓,脳など身体のさまざまな部位が侵され,関節の腫脹,関節痛,羞明,発熱,胸痛,脱毛,疲労など症状は多岐にわたります。 米食品医薬品局(FDA)は56年ぶりに,活動性の全身性エリテマトーデス(SLE)に対する治療薬としてbelimumab(Benlysta®)を承認しました。適応となるのは,コルチコステロイド,抗マラリア薬,免疫抑制薬,非ステロイド抗炎症薬(NSAID)などの標準治療を受けている患者としています。

Belimumabは静注用製剤で,Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とする。同薬により,SLEで問題とされる異常B細胞数を減少させることを目的としています。

Belimumabより以前にFDAが承認した全身性エリテマトーデス(SLE)治療薬は,1955年の抗マラリア薬hydroxychloroquine(Plaquenil)と48年のアスピリンのみで,今回の承認は実に56年ぶりとなります。

elimumabの安全性と有効性は,全身性エリテマトーデス(SLE)患者1,684例を対象とした2件の臨床試験によって証明されています。これらの試験は,活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者を(1)belimumab+標準治療群(以下belimumab群)(2)プラセボ+標準治療群(以下プラセボ群)―にランダムに割り付け比較したもので,B細胞標的療法を受けたことがある患者やシクロホスファミド静脈内投与歴のある患者,腎臓や中枢神経系に全身性エリテマトーデス(SLE)が発現している患者は除外されています。

試験の結果,プラセボ群と比べて,belimumab群の方が活動性疾患の頻度は低い結果が得られました。また,belimumab群では重篤な再燃も少なく,ステロイドが減量できた患者もいました。しかし,これらの試験結果のみでは,効果が確立されたとはいえないとされています。

一方,両試験から,アフリカ系米国人やその血統の患者では,belimumabに反応しにくいことが明らかになっています。また、臨床試験の期間中,belimumab群ではプラセボ群と比べて死亡数が多く,重度感染症の報告も多い結果でした。臨床試験で認められた副作用で最も多かったのは,悪心,下痢,発熱(熱病)でした。また,注入反応(アレルギー)を経験した患者も多かったとされています

以上の論文報告からは、今回FDAが効果もなく、副作用が多い薬をなぜ承認したか疑問が残ります。日本での承認は慎重にすべきでしょう。


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