<インフルエンザ医学最新ニュース5>

WHOが「偽りのパンデミック宣言」疑惑に反論

豚インフルエンザはマスコミによって騒がれたものの、実際は季節性よりも症状は軽く、死亡者も少なかったのではないかと推測されています。このような結果を受けて、2010年1月より、欧州議会議員会議(Parliamentary Assembly of the Council of Europe;PACE)が、世界保健機関(WHO)が昨年(2009年)宣言したパンデミックは、ワクチン製造企業からの影響を受けた「偽りのパンデ ミック(fake pandemics)」だったのではないかと調査を開始しています。こうした動きに対し、WHOは22日、ウェブサイトに反論を出しています。

PACE冬季会議でWHO、製薬企業関係者らの公聴会

パンデミック宣言に至るまでの根拠を次のように示しています。

  • 分離培養解析により、新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)ウイルスは遺伝子的にも抗原的にも従来ヒトの間で流行したインフルエンザとは全く異なることが判明した
  • メキシコ、北米、カナダで見られたヒト−ヒト感染に関する疫学情報があった。特にメキシコからの臨床情報により、新型インフルエンザウイルスが重篤な症状や死亡を引き起こすことがわかった。その当時パンデミックを示す状況にはなかったが、WHOやほかの公衆衛生機関に対し、宣言への準備をするに足る非常に高いレベルの注意喚起を含む報告であった
  • パンデミックへのフェーズ引き上げにあたっては、臨床医らが新型インフルエンザでは、通常の季節性インフルエンザとは異なり症状が急速に進行し、しばしば致死的な経過をたどることを確認していた
  • 流行地域の広がりが非常に早かった
  • 4月、9か国から確定例の報告(lab confirmed cases)がWHOに寄せられていた
  • 6週間後の6月11日にはWHOが管轄する2か所以上の区域にわたる74の国と地域から感染例の報告が寄せられた。この情報をもって世界的な流行が起きたと判断し、パンデミック宣言を発した
  • 7月1日までに感染は120の国と地域で確認された

華々しく豚インフルエンザでは季節性インフルエンザとくらべて症状が急激に進行するといいますが、少なくとも日本ではそのようなことはありませんでした。ご存知のようにWHOも決して善意の中立機関でなく、製薬会社の役員や関係者が委員になっています。このため製薬会社の利益誘導の疑いがあるのです。今後もWHOの動向に注目しなければなりません。

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