<インフルエンザ医学最新ニュース42>
米食品医薬品局(FDA)は2012年12月21日、抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)の対象年齢を生後2週間〜1歳未満の小児へと拡大すると発表しました。インフルエンザ様症状を発症して2日以内の小児が対象となるが、予防投与は認められていません。
現在1歳未満の小児への抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)使用は、欧州、日本では「安全性が確認されていない」との理由で承認されていません。しかし、TPPで日本の厚生労働省が1歳未満の小児への抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)使用承認しない場合は、ISD条項で製薬会社に訴えられることになるでしゅう。
FDAは年齢引き下げの理由について「CDCが、2歳未満の小児はインフルエンザによる合併症のリスクが高く、特に生後6カ月未満の小児の入院率が最も高いと評価していること」を挙げています。
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→ちなみにオセルタミビルは米で1999年以降、1歳以上のインフルエンザ様症状を呈する患者に対し承認されていた。今回の対象年齢引き下げに当たり、これまでの成人および1歳以上の小児における臨床試験での有効性評価を1歳未満の小児に外挿される方式で評価が行われています。
用法・用量は1歳未満の場合、1歳以上の小児で適用されてきた体重分類ごとの用量ではなく、3mg/kgを実体重で計算した用量を1日2回、5日間投与する。
今回、1歳未満の小児インフルエンザ患者135例を対象とした安全性に関する追加試験の結果も審査対象とされた。同試験は2007年に米国で施行された小児用薬の開発促進などを目的とする法律(pediatric legislation)の適用を受け、販売元のRocheと米国立衛生研究所(NIH)の資金提供で実施。FDAは「成人や1歳以上の小児同様の安全性プロフィールが確認された」と述べている。同試験で見られた最も多い副作用は悪心・嘔吐。一方、今回の追加試験では見られなかったが、同薬のまれな副作用として重度発疹、皮膚障害、幻覚、譫妄および異常行動が挙げられている。
対象年齢の引き下げに伴い、薬剤師に対し1歳未満の小児への投与量を正確に計算し処方することや保護者の投与時の十分な確認といった注意喚起が併せて行われている他、「同薬は米で生後6カ月以降の全小児に推奨されている年1回のインフルエンザワクチンの接種の代替ではない」ことも強調されています。