<インフルエンザ医学最新ニュース31>
季節性インフルエンザとパンデミックをもたらしたことになっている新型(H1N1豚)インフルエンザウイルスの同時感染はまれに起きることが、新しい研究によって確認されました(「American Journal of Tropical Medicine and Hygiene」11月号2011年)。
パンデミックインフルエンザウイルスとH3N2と呼ばれる季節性インフルエンザウイルスの同時感染は、2009年10月にカンボジア人の幼い男児とその教師で確認されたようです。
インフルエンザウイルスの同時感染はまれですが、ヒトに免疫防御能がほとんどないH5N1鳥インフルエンザウイルスが関わる同時感染の可能性を懸念されます。現在のところH5N1ウイルスへの感染は大部分が家禽(かきん)などとの直接的な接触によるもので、人同士の感染は限られています。しかし、H5N1ウイルスと季節性インフルエンザウイルスの同時感染は、人から人へ容易に感染する新たなH5N1ウイルス株につながり、世界中に深刻な脅威をもたらしうると警告されています。