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<インフルエンザ医学最新ニュース11>

新型インフルエンザ発症者、香港型と比べ低年齢だったが入院リスクなどは同等

2009年パンデミックA(H1N1)型インフルエンザ(新型インフルエンザ)を発症した人は、H3N2型インフルエンザ(香港型)を発症した人に比べ、年齢は低いが、入院リスクなどは同等だったことが報告されました(JAMA誌2010年9月8日号)。

研究グループは、2007〜2008年と2008〜2009年の各インフルエンザ・シーズンと、2009年5〜11月にかけて、米国ウィスコンシン州内14地域(郵便番号で選定)の医療機関で、被験者を30日間追跡する調査を行いました。発熱、寒気、咳などの症状が8日未満続いた患者に対し、外来・入院の際に同意を得たうえでA型インフルエンザの検査が行われた。試験に同意した患者は6,874人でした。

感染が同定されたのは、新型インフルエンザ患者は545人、季節性H1N1患者は221人、H3N2患者は632人だった。それぞれの群の年齢中央値は、新型インフルエンザ群が10歳、季節性H1N1群が11歳だったのに対し、H3N2群は25歳と有意に高かった(p<0.001)。

17歳までの小児患者の30日以内の入院率についてみると、新型インフル群395人中6人(1.5%)、季節性H1N1群135人中5人(3.7%)、H3N2群255人中8人(3.1%)と、有意差はみられませんでした。大人の入院率も、同様に有意差はありませんでした。

肺炎発症率については、大人の患者で、新型インフルエンザ群が150人中6人(4.0%)、季節性H1N1群が86人中2人(2.3%)、H3N2群が377人中 4人(1.1%)と、新型インフルエンザ群とH3N2群で有意差がみられました(p<0.05)。

しかし子供の肺炎発症率については、各群で有意差はみられませんでした。その他、集中治療室(ICU)への入室率や、肺炎と入院を合わせた発生率についても、それぞれ各群で有意差はありませんでした。

結局、インフルエンザ感染の重症度も今回大騒ぎした豚インフルエンザと従来の香港型と変わりがないという貴重なデータです。のど元過ぎれば何とかではありませんが、このことをよく覚えておきましょう。また周期的にパンデミック騒動を意図的に起こすことは間違いありませんので、要注意です。

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