強皮症（きょうひしょう）の最新の知見
強皮症は、皮下に炎症が起こるために、皮膚が線維みたいに硬くなる病気です。実際は、皮膚は傷つきやすく決して硬くなるわけではありません。
血管、肺、消化管にも炎症が及び、同じく線維のようになります。
特に肺に炎症がおよぶと「間質性肺炎」となり、強皮症の患者さんにとっては致死的です。
強皮症の最新の知見
欧州を中心として４大陸の150施設が協力し、7000例を超える強皮症症例を集計し、薬物治療の推奨度が2008年10月に発表されました。最もエビデンスレベルの高い薬物治療は、プロスタサイクリン、エンドセリン受容体アンタゴニスト、選択的PDE阻害剤、カルシウムチャンネル阻害剤の４療法でした(Avouac J, et al: Ann Rheum Dis :Oct 28)。シクロフォスファミドなど免疫抑制剤は、その次にエビデンスレベルが高いとされています。しかし、強皮症による肺胞炎、間質性肺炎への治療効果は２年後には減弱していくことが確認されています（Tashkin DP, et al: Am J Respiration Critical Care Medication 176:1026, 2007）。
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