<インフルエンザ医学最新ニュース19>
1945年8月9日、長崎に原爆が投下されました。長崎の原爆は広島のウランではなく、プルトニウムというより放射能の強い核爆発でした。長崎の爆心地からたった1.8kmのところで秋月辰一郎医師(「死の同心円−長崎被爆医師の記録」講談社刊・絶版)は被ばくされました。
その時に、彼は被ばくした病院関係者全員に、「爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩からい味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ」と伝えました。
すると、そのとき患者さんの救助にあたった被ばくしたスタッフらに、原爆症の症状が出なかったのです。そして、被爆者したスタッフはそれからのち、ずっと現実に生き延びているというのです。
秋月医師はこの経験から、人間の体質にとって、「味噌」が実に大切であることを説いています。
博士の書いた「長崎原爆体験記」(日本図書刊行センター刊「日本の原爆記録」第9巻に所収)という本の英訳版が欧米で出まわり、チェルノブイリ原発事故のあと、ヨーロッパで日本の「味噌」がとぶように売れたということも後に知りました。
なぜ手作り味噌に被ばく症を防ぐ力があるのでしょうか?
それは味噌には酵母菌などの有用微生物がたくさん存在し、放射性物質のような重金属を分解する作用があるからです。また有用微生物が出した代謝産物には重金属をキレートする作用があるからです。
腐植触媒にも酵母や乳酸菌などの代謝産物が入っています。最終的には、微生物に働いてもらう以外、私たちの健康は維持できないのです。日本全体を覆う放射線被ばくに対して先人の知恵を今こそ利用しなければなりません。