医薬品を服用あるいは血管内投与すると、血液中のタンパク質(アルブミン)と結合します。実は、効果をしめす医薬品は血液中のタンパク質と結合していない、フリーの状態のものだけです。
たとえば、血栓形成を阻害するワーファリンという医薬品があります。ワーファリンは98%が血液中のタンパク質と結合しています。残りの2%のみが薬効があるということです。
このとき、血液中のタンパク質が極端に低下していたり(低栄養、肝臓障害)、あるいは他の薬物で血液中のタンパク質が占領されているとどうなるでしょうか?フリーのワーファリンが増加するために効きすぎることになります。ワーファリンの場合は、脳内出血や消化管出血などが起こります。
医薬品の吸収率つまり、血管内にどのくらいの割合で入るかで薬効が変わってきます。医薬品を血管(静脈)内に投与すると、100%吸収です。ですから点滴や静脈内注射は薬効が高いのです。逆にいうと副作用も強く出ます。
これが内服ではどうでしょうか?
口から入った医薬品は腸から吸収されて肝臓の門脈へ運ばれます。実は肝臓で素早く医薬品が代謝されるため、一部の薬効がなくなります。肝臓で医薬品が最初に素早く代謝されたあとに全身へと運ばれていくのです。
医薬品が血液内に吸収されたあとは全身に分布します。脂溶性の医薬品は脂肪組織に蓄積されます。ビタミンA、Dなどは脂溶性のビタミンですが、ある一定量を越えると中毒症状が起こります。これは脂肪組織に溶け込んで蓄積するからです。
一方の水溶性の医薬品は尿、汗あるいは胆汁として排泄されます。ビタミンC、ビタミンBなどは尿などから排出されますので、中毒症状は出ません。
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