非ステロイド抗炎症薬NSAIDの頻繁な使用で炎症性腸疾患リスク上昇
非ステロイド抗炎症薬（NSAID）とアスピリンが腸の自己免疫疾患であるクローン病（CD）および潰瘍性大腸炎（UC）の発症と関係する可能性が示唆されています。非ステロイド抗炎症薬（NSAID）の頻繁な使用は絶対発症率は高くはないものの炎症性腸疾患（IBD）のリスクと関係することが論文報告されました（Ananthakrishnan AN, et al. Ann Intern Med 2012; 156: 350-359.）
今回、Nurses' Health Study Ⅰの参加女性7万6,795例を1990?2008年に追跡し、NSAIDおよびアスピリンの使用と炎症性腸疾患（IBD）発症との関係を検討しています。
18年間の追跡で123例がクローン病（CD）、117例が潰瘍性大腸炎（UC）を発症した。多変量解析の結果、非使用群と比べNSAIDを1カ月に15日以上使用する群では10万人年当たりのクローン病（CD）発症が6例多く〔ハザード比（HR）1.59〕、潰瘍性大腸炎（UC）の発症は7例多い結果でした（同1.87）。
一方、NSAIDの低頻度の使用とアスピリンにはクローン病（CD）または潰瘍性大腸炎（UC）との明らかな関係は認められなかったようです。非ステロイド抗炎症薬（NSAID）は腸に穴を開ける（リークガット）代表的な医薬品です。その頻繁な使用は、炎症性腸疾患（IBD）だけでなく、さまざまな自己免疫疾患を引き起こします。
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