減感作療法は自己免疫疾患の増加とは関係しない
皮下注射による抗原特異的免疫療法（減感作療法：SCIT）が自己免疫疾患の誘因として作用する可能性が示唆されています。今回の研究では抗原特異的免疫療法（減感作療法：SCIT）と自己免疫疾患との関係は認められないことが論文報告されました（Journal of Allergy and Clinical Immunology 2012年2月号）。
もともと減感作療法では異物である蛋白質を注射するために、免疫系を刺激する可能性があります。その人の状態によっては、これが契機となって自己免疫疾患が発症するおそれがありますが、今回の研究では影響はほとんどないという結果でした。
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→今回の研究で、抗原特異的免疫療法（減感作療法：SCIT）と自己免疫疾患、心筋梗塞（MI）、虚血性心疾患（IHD）、全死亡との関係を検討した。
デンマークの薬剤および入院に関する中央登録からアレルギー以外の疾患のない患者で、1997～2006年の10年間にSCITを受けた計1万8,841例と、通常のアレルギー治療（ステロイド鼻腔内噴霧または経口抗ヒスタミン薬）を受けた計42万8,484例を抽出した。
年齢、性、職業、収入を調整した結果、SCITと自己免疫疾患との関連は認められず、通常治療群と比較したハザード比（HR）は0.86とむしろ低かった。
また、SCIT群は通常治療群と比べMI、IHD、全死亡のリスクがいずれも低かった（HRはそれぞれ0.70、0.88、0.71）。
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