炎症性腸疾患が国の開発と共に世界的に増加
炎症性腸疾患（IBD）が世界的に増加していることが、新しい研究で報告されました（「Gastroenterology」 2012年1月号）。炎症性腸疾患（IBD）の発生率（incidence）および/または有病率（prevalence）に関する全人口集団ベースの研究データを分析した結果、対象とした世界のいずれの地域でも、新たな症例の発生率は増えているか横ばいであることが判明しました。
炎症性腸疾患（IBD）は、消化管に起こる自己免疫疾患で、クローン病（CD）と潰瘍性大腸炎（UC）があります。クローン病は、腸壁の深層で炎症および潰瘍が生じるもので、腹痛、下痢、体重低下、出血などの症状がみられます。潰瘍性大腸炎は、結腸または直腸の内層に生じ、症状は腹痛、下痢、直腸出血などがみられます。
カナダおよびヨーロッパは特に炎症性腸疾患（IBD）の有病率が高く、アジアは比較的少ないこともわかりました。炎症性腸疾患（IBD）はこれまで開発途上国では稀でしたが、国の工業化が進むにつれて発生率が増加してきていることが浮き彫りになっています。炎症性腸疾患（IBD）は明らかに現代病ということです。
今回の研究では、クローン病および潰瘍性大腸炎のいずれも20～40歳で発生率が高いことが示されました。ますます早期の生活習慣改善の導入が発症の鍵を握ることがよく分かります。
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