ＦＤＡがインフリキシマブに6歳以上の小児の自己免疫疾患
潰瘍性大腸炎の適応追加
米食品医薬品局（FDA）は、既存薬で効果不十分な小児（6歳以上）の中等度～重度の活動性潰瘍性大腸炎（UC）をインフリキシマブの適応として追加承認しました。
インフリキシマブは、すでに日本でも関節リウマチに使用されている生物的製剤といいます。その他、クローン病、強直性脊椎炎（脊椎と骨盤の関節に生じる関節炎）、関節症性乾癬（関節痛を伴う乾癬）、や尋常性乾癬に使用されています。
潰瘍性大腸炎（UC）は自己免疫疾患である炎症性腸疾患の一種で、大腸と直腸の粘膜に病変が生じ、腹痛、下痢、直腸出血、体重減少や発熱などの症状が現れます。米国では、5万～10万人の小児が炎症性腸疾患に罹患し、そのうち40％が潰瘍性大腸炎（UC）とされています。
インフリキシマブの安全性と有効性は、中等度～重度の活動性潰瘍性大腸炎（UC）の患児60例（年齢6～17歳）を対象とした多施設共同ランダム化非盲検試験で確認されました。対象はいずれも従来の治療が無効であったか忍容性のない患者でした。
インフリキシマブの米国版添付文書の「黒枠警告」には、重篤な感染症とがんリスクについて明記されています。リスクが上昇する感染症には、結核やウイルス感染、真菌感染、細菌感染が含まれています。TNFα阻害薬による治療を受けた小児および若年成人患者に肝脾T細胞リンパ腫などのまれな種類のがんが報告されています。
子供にこのようなリスクを伴う治療をすすめることはできません。良心のある医師であれば、よほどのことがない限りは推奨しないでしょう。
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