自己免疫疾患のＱ＆Ａ
自己免疫疾患でお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします（個人情報は抹消しております）。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Ｑ２. 28歳の女性です。橋本病という甲状腺の自己免疫病と診断されています。ここ数カ月生理がありません。妊娠反応はマイナスです。乳房が張って、乳汁が出てくるようになりました。乳房に自己免疫が働くことがあるのでしょうか？
Ａ．橋本病は慢性甲状腺炎に分類される典型的な自己免疫疾患です。慢性炎症によって甲状腺が破壊されていくために、甲状腺ホルモンの産生が低下します。
そのため、脳のホルモンコントロールセンターである視床下部は、脳下垂体という脳の部分に甲状腺ホルモンを多く造るように指令を出します。この指令は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン（TRH）が媒介します。
橋本病などで甲状腺ホルモンが低下すると、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン（TRH）が上昇します。このホルモンは同時に脳下垂体にプロラクチン（乳汁分泌ホルモン）を放出させます。
プロラクチンの値が高くなると生理が止まり、乳汁分泌するために乳房が張ります。
したがって、乳房の新しく起こった自己免疫病ではなく、プロラクチンの値が高くなることで起こる一連の症状です。
甲状腺ホルモンの値が低下していないかをまずは検査されてください。甲状腺ホルモンが正常値になるとプロラクチンの値が低下しますので、自然に生理が再開されるはずです。
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