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混合性結合組織病(MCTD)

全身性エリテマトーデス(SLE),強皮症、多発性筋炎様の症状など膠原病各種の病態が同時に混在している。SLE様症状や筋炎症状は経過とともに減少しますが、強皮症症状が増加していきます。

混合性結合組織病の疫学

  • あらゆる年齢で発症します。
  • 男女比は1:13~16と女性に多い。
  • 2004年の時点で、登録者数は7,058名。

混合性結合組織病の症状

全身症状
発熱、倦怠感
レイノー現象
初発症状であることが多い。ほぼ全例で認められる。
手の腫脹
ソーセージの様に手指が腫れる。
全身性エリテマトーデス(SLE)様症状
顔面紅斑、多関節炎、リンパ節腫脹など。関節リウマチのように骨破壊が進行する例がある。
強皮症様症状
皮膚硬化(手指に限局)、間質性肺炎、逆流性食道炎など。
多発性筋炎様症状
筋痛、筋力の低下(体幹に近い筋肉)。
肺高血圧症
約4%の合併症率ですが、死因の第一位をしめる予後因子です。

混合性結合組織病の検査

一般検査
  • 炎症反応(CRP、赤沈)
  • 白血球、血小板減少(疾患活動時期約半数)
免疫学的検査
  • 抗U1-RNP抗体(特異的な自己抗体)
  • 高γグロブリン血症、リウマトイド因子、LE細胞、抗リン脂質抗体など

混合性結合組織病の治療

ステロイド・免疫抑制剤の投与。ステロイドの減量で再発する例が多い。

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