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３９．小児の学業成績に身体活動が関連

身体活動が脳や知能の発達に促進的に働いていることが一般書などでも散見されるようになっています。今回、小児の身体活動と学業成績に正の相関があることが論文報告されました（Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine（2012; 166: 49-55）。

今回の論文では、身体活動と学業成績の関係を示すエビデンスについてシステマチックレビューを実施しています。

対象は，観察研究10件と介入研究4件。そのうち12件は米国，1件はカナダ，1件は南アフリカで実施されていました。サンプルサイズは，参加者が53例から約1万2,000例（6〜18歳）に分布していました。フォローアップ期間は8週間から5年以上でした。

ベストエビデンスを統合すると，身体活動と学業成績との間に有意な正の相関があることを示す強力なエビデンスが得られました。質の高い介入研究と観察研究それぞれ1件の結果から，小児の身体活動レベルの上昇は，学業成績の向上と明らかに関連していることが示されたことが述べられています。

運動によって脳を流れる血液と酸素が増加することで認知能力が高まり，ノルエピネフリン値とエンドルフィン値が上昇してストレスが減少し，気分が明るくなり，新しい神経細胞を産生してシナプス可塑性を支持する成長因子が増大することがすでに報告されています。

現在の教育制度、とくに日本の“お受験”制度は、体力だけでなく知能を低下させるシステムであることは間違いありません。その結果が、いつまでも他国に支配されている状況を招いているのです。