気になるニュース
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３７．人体に生息する微生物の多様性を解明
ヒトの微生物叢は1万を超える微生物種、800万の微生物遺伝子から成り、そのほとんどはヒトと共存して相互利益を得ていることが報告されています（英科学誌「Nature（ネイチャー）」6月14日号）。
ヒトの身体にみられる細菌の多くは培養が難しいためにほとんど知られていませんでしたが、微生物の遺伝子解析（DNAシークエンシング：塩基配列決定）技術の出現により、身体から直接微生物を採取、同定することが可能なりました。
米セントルイスおよびヒューストンの240人の健康なボランティアが参加し、口腔、皮膚、鼻腔、膣および腸管下部など、男性15カ所、女性18カ所の部位から検体を採取。身体内の微生物は1万種を超え、ヒト細胞1個当たり10個の微生物の細胞が存在することが判明しました。体重約90kgの成人では、約0.9～2.7kgを細菌が占めることになります。
身体のある部分に生息する細菌は、他の部位とは大きく異なっており、皮膚上では特に多様性であることが分かりました。また、個人間でも大きな差がみられ、各個人が固有の特徴を有することが示されています。しかし、その微生物が果たす機能は一定であり、あらゆる細菌が体系化して類似する機能を果たしているようだと推測されています。また、健康な人でも一定レベルの有害な細菌を保有していることも確認されています。
抗生物質の使用などの何らかの環境因子が微生物の多様性を破壊するがために、人体に変調を来すのではないかと私は考えています。これは自然から多様性を奪った暁に起こったたくさんの惨事を考えれば類推できますね。