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２５．景気後退で小児の虐待による頭部外傷が増加
米シンシナティ小児病院医療センターのRachel P. Berger氏らは米国の3地域を対象とした調査から、米国で2007年に始まった景気後退後、それ以前と比べ虐待による頭部外傷（abusive head trauma；AHT）が有意に増加していたことを報告しました（Pediatrics. 2011 Oct;128(4):637-643. Epub 2011 Sep 19.）。貧困やストレスが虐待の危険因子であることはよく知られていますが、社会の経済状態と虐待による頭部外傷の関連を検討した研究はこれまでなかったようです。
今回の論文では、米国内の9カ所の小児病院がカバーするペンシルバニア州、オハイオ州、ケンタッキー州、ワシントン州の74地域を対象に、病院の小児保護チームが収集した虐待による頭部外傷事例と景気の変動との関連を解析しています。2004年1月1日～09年6月30日の5年半を調査期間として、全米経済研究所により景気後退が始まったとされる2007年12月1日以降とそれ以前における5歳以下の小児の虐待による頭部外傷発生件数が調べられました。
5年半の間に対象となった地域全体で422例の小児が虐待による頭部外傷と診断されていました。10万人当たりの虐待による頭部外傷発生率は、景気後退前の8.9（95％CI 7.8～10.0）から、後退後には14.7（同12.5～16.9）に有意に増加していました〔罹患率比（IRR）1.65，P＜0.001〕。景気後退前後の児の虐待による頭部外傷による死亡率や虐待歴、一人っ子の割合などに有意な違いはありませんでした。
一方、景気後退に伴い、すべての地域で失業率の増加が見られたものの、虐待による頭部外傷発生率との有意な相関は見られなかったといいます。失業率との関連について、現状の同国内における失業データでは、非常勤社員や求職そのものを中止している人などの実態が明らかにできないなどの限界があると指摘しています。失業の実態は、米国政府の発表よりもかなり多いはずですから、この結果は再検討すべきですね。
今回の福島の放射能汚染や戦争もそうですが、いつも弱いもの、特に子供にしわ寄せが来ます。生物界では、子供は狙われやすいですが、親が必至で守っています。やはり、子供を真っ先に犠牲にする人間という動物は生物界の奇形になり果てたのでしょうね。他人の子供だからどうなってもよいと実質的に日本のコントロールをアメリカから任されている官僚さんたちは考えているのでしょうか。さて、みなさんは、このような人間の行動をどうお考えになられるでしょうか。