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２．慢性疲労症候群の原因はやはりウイルスか
慢性疲労症候群（CFS）発症にはxenotropic murine leukemia virus-related virus（XMRV）というウイルスが関連する可能性が高いとの研究結果が報告されました（Proceedings of the National Academy of Sciences, USA（PNAS）8月23日、オンライン版）。
XMRVはマウスで白血病を引き起こすレトロウイルスの1種で、ヒトでの分離は4年前、前立腺がん患者の検体によるものが初めて報告されているといいます。
慢性疲労症候群（CFS）患者では健康な人に比べXMRV感染が高率に見られることを初めてScience（2009; 326: 585-599）で報告されていましたが、その後、英国やオランダのグループなどから、追認できないとする結果が相次いで報告されていました。
これまで慢性疲労症候群発症との関連が疑われる病原体として、ヒトヘルペスウイルス（HHV）6やエプスタイン・バーウイルス、エンテロウイルス、パルボウイルスB19などが挙げられていました。しかし、発症者の多くで感染が見出されたのはXMRVということでした。
2009年、Scienceの論文では、CFS患者101例中68例（67％）の末梢血単核細胞（PBMC）からXMRVのDNAが検出されています。これは健康人での218例中8例（3.7％）に比べかなり高い割合です。
今回の論文では、CFSの診断基準に合致した患者37例からPBMC由来のDNAサンプル41検体を採取、XMRVのより特異的な配列を検出するためのnested PCRなど複数の遺伝子解析を行っています。その結果、37例の86.5％に当たる32例の検体でマウス白血病（MLV）様ウイルスのgag蛋白配列が認められました。一方、健康人のコントロール群では44例中3例（6.8％）という割合でした。
CFSとMLV様ウイルスの統計学的に強い関連（相関）が確認されたということですが、CFSの原因ウイルスである（因果関係）との証明ができたわけではありません。ウイルスよりもはるかに大きい細菌でさえ人間が分かっている種類はわずかしかありません。ウイルスにいたっては、ほとんど分かっていないのです。ですから、人為的に作られたウイルスなのか、自然発生で昔から存在しているウイルスなのかも区別は困難でしょう。
実際は、XMRVというウイルス感染でどのような症状が出るのかは極秘に人体実験されているかも知れません。
製薬会社にとって、慢性疲労症候群はうつ病と同じく診断基準によって非常に大きなマーケットになります。最初にウイルスに特異的なワクチンを開発しておいて、こういった論文発表をもとにして仕込んでおいたマーケットに一斉に売り込もうとする計画が透けて見えます。それは今後の展開が証明してくれるでしょう。