自然治療通信
９.異性化糖と健康障害２
みなさん、こんにちは。崎谷研究所の崎谷です。
崎谷研究所の崎谷です。
自然治療通信をいつもお読み頂きありがとうございます。
今回は「ソフトドリンク」などに含まれる異性化糖（高フルクトースシロップ）についてさらに詳しく考察していきます。 グルコース（ブドウ糖）は、私たちが活動するためのエネルギーです。ミトコンドリアによって、グルコース（ブドウ糖）はＡＴＰというエネルギーに変換されます。
今回問題になっている高濃度フルクトース（果糖）も最終的にはミトコンドリアでエネルギーに変換されますが、その過程が大幅に違います。それではフルクトースの代謝過程を述べていきます。
- フルクトースを食べると、その代謝負担は100％肝臓にかかります。グルコースの場合、肝臓が分解するのは、たった20％です。
- 全身の細胞（ミトコンドリア）はグルコースを利用します。グルコースを摂取しても、その大半は即座に「燃焼」してエネルギーに変換します。それとは対照的に、フルクトースは、FFA（遊離脂肪酸）、VLDL（有害な形態のコレステロール）、トリグリセリドに転換され、脂肪として貯蔵されます。
- フルクトース代謝の過程で生成された脂肪酸は、肝臓や骨格筋組織の中に脂肪滴として蓄積し、インスリン耐性とNAFLD（非アルコール性の脂肪肝）の原因となります。インスリン耐性は、メタボリック・シンドロームや2型糖尿病へと発展します。
- グルコースを120カロリー食べたとすると、脂肪として蓄積されるのは1カロリー未満ですが、フルクトースを120カロリー食べると、40カロリーが脂肪として蓄積されます。フルクトースを摂取するということは、脂肪を摂取していることと同じなのです。
- 肝臓によるフルクトース代謝は、さまざまな廃棄物と毒物を生み出す。例えば、大量の尿酸を生み出し、これは血圧上昇や凝血を引き起こします。
- グルコースは、空腹ホルモンであるグレリンを抑圧し、食欲を抑えるレプチンを刺激します。一方、フルクトースには、グレリンを抑える効果はなく、脳とレプチンの通信を妨害します。そのため、食べ過ぎをもたらす効果があります。
「甘いものは別腹」といいますが、これは甘いものに含まれるフルクトース（果糖）が食欲をさらに高めるためです。ファミレスのドリンクバーなど、子供にソフトドリンクを飲ませると空腹を感じ、食べ物の注文が増える仕掛けになっているのですね。
ただし、フルクトース（果糖）は、もともと野菜や果物由来ですから、野菜や果物を摂取して体内に入る分には問題ありません。野菜や果物で摂取する場合、繊維やビタミン、ミネラル、酵素、ファイトケミカルと一緒になっているため、フルクトースのマイナスの代謝効果を緩和してくれるからです。
フルクトース（果糖）自体が悪いのではなく、高濃度にトウモロコシから作られたフルクトース（果糖）が問題なのです。あるいはフルクトースを大量に摂取しやすい環境（ソフトドリンクなど）にあることが危険なのです。
さらにほぼ全種類のコーンは、遺伝子組み換えトウモロコシを原料にしています。原料自体が別の意味で危険です。モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシがＴＰＰで無制限に食卓に届くことになるのは残念です。
こういった基礎医学研究が発表されているのにもかかわらず、一般消費者へはまだ情報発信されていないのが現状です。なるべく加工食品は摂取しないこと、これは私の自然治癒法の食習慣改善法の一部ですが、これに尽きますね。