自然治療通信
７.「アロパシー」と「ホメオパシー」
みなさん、こんにちは。崎谷研究所の崎谷です。
自然治療通信をいつもお読み頂きありがとうございます。
「現代医療の治療以外に方法はないのか？」
よく現代医療の過剰な医薬品投与や副作用について敏感な方からこのようなご質問をお受けいたします。
今回は、このようなご質問に関連するかたちで、アロパシーとホメオパシーという考え方についてお伝えいたします。
アロパシーとは「対処療法」と訳されるものです。
発熱には解熱剤を、下痢には止痢薬を、吐き気には制吐剤をといった対処法のことです。症状とは反対の方向への操作を行うということですね。現代医療はこのアロパシーを基本にしています。ただし、ワクチンなどはホメオパシーの原理を使っています。
一方のホメオパシー。
この言葉の本来の意味は、「同種療法」と訳されるものです。
発熱には体温を上げるもの、下痢には下痢を促すもの、吐き気には嘔吐を促すものといった考え方です。症状と同じ方向への操作となります。
ちなみに、先日アメリカのホメオパス（ホメオパシー治療家）にホメオパシーの現況を聞く機会がありました。そのときにお聞きしたことは、現代のホメオパシーとよばれるものは、まったく異質なものに変遷してしまっているということです。
ある物質を極限まで希釈して、その波動水を摂取するということですが、多数の臨床実験でまったく効果がないことが発表されて以来、ホメオパシー学会の中でも分裂を起こしているということでした。これは本来のホメオパシーの考え方とは似て非なるものですね。
治療を車の運転に例えると
- アロパシー＝ブレーキ（症状を緩和）
- ホメオパシー＝アクセル（症状を加速）
と考えると分かりやすいと思います。
しかし、本来のホメオパシーの考え方は非常に重要です。
たとえば炎症という現象を考えてみましょう。炎症は感染・外傷などのときに、わざわざ局所、全身に血流を増加し、痛み物質を出し、赤く腫れあがる方向（アクセル）へ導きます。
当然、私たちは炎症があると発熱・熱感・痛みなど不快感をもちます。しかし、この炎症があるおかげで、異物は排除され、傷が癒えてくるのです。
これこそはホメオパシーの本来の考え方です。いわゆる自己治癒力に相当するのです。
では病気の治癒にはどちらが良いのでしょうか？
これはどちらもが正解です。
炎症もほどよくコントロールされて初めて、自己治癒力といえるのですが、コントロールが外れてしまうと、勝手に暴走します。これが慢性炎症や敗血症などの急性炎症です。
この場合は、アクセルだけではいけません。まず、みなさまの組織がダメージを受けるまえにブレーキをかける必要もあります。
ブレーキをかけて、炎症をコントロールしながら、自己治癒力を向上（アクセル）させていくことが肝要なのですね。
ですから、治療はアロパシー、ホメオパシーと分ける必要はありません。慢性炎症疾患（自己免疫疾患）、ガン、精神疾患、認知症などの慢性疾患では両方を総合して治療に取り組むことが「自然治癒力」を引き出すことになるのです。