経口フルオロキノロン系薬の使用と網膜剥離リスクの関連が報告されました（JAMA 2012; 307: 1414-1419）。同系薬服用により網膜剥離のリスクが4.5倍上昇することが示されました。他クラスの抗菌薬あるいはβ刺激薬の使用によるリスク増加は確認されませんでした。
フルオロキノロン系薬はさまざまな市中感染症に日本でも最も使用されていますので、今回の副作用の結果は要注意です。
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→2000年1月～07年12月に，ブリティッシュコロンビア州内の眼科を受診した98万9,591例の患者が対象とされた。
診療コードを基に網膜剥離例4,384例が抽出され，1例に対し10例の年齢や登録時の年月をマッチングした計4万3,840例の対照群を設定。
解析の結果，眼科受診時の経口フルオロキノロン※使用は非使用例に比べ網膜剥離進展の補正後リスク比（ARR）が4.5倍に上昇していた（95％CI 3.56～5.70）一方，網膜剥離の治療が行われた日から1～7日前の同薬使用（ARR 0.92，同0.45～1.87），あるいは8～365日前の使用（同1.03，0.89～1.19）におけるリスク上昇は確認されなかった。
同薬使用による網膜剥離の絶対リスク増加の程度は1万患者・年当たり4例でnumber needed to harm（NNH）は2,500としている。
なお，βラクタム系抗菌薬（ARR 0.74，95％CI 0.35～1.57）あるいは短時間型β刺激薬（同0.95，0.68～1.33）における網膜剥離リスク上昇との関連は認められなかった。
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