米食品医薬品局（FDA）は２０１２年2月8日、プロトンポンプ阻害薬（PPI）とClostridium difficile関連下痢症（CDAD）に関する安全性情報を発表しました。同薬服用例で改善しない下痢が見られる場合にはCDADの可能性があり、早急に医師を受診すべきとしています。
FDAはプロトンポンプ阻害薬（PPI）とClostridium difficile関連下痢症（CDAD）に関する文献のレビューを実施。PPI使用例では非使用例に比べCDADをはじめとするC. difficile感染症のリスクが高まっていたことが確認されたといいます。
有害事象報告システム（AERS）の解析からは、CDAD発症者の特徴として、（1）高齢、（2）慢性疾患や合併症がある、（3）CDAD発症との関連が指摘される広域抗菌薬を使用している－などが見られたとしています。PPI使用に加えこれらの因子を1つ以上有している場合、CDADの重症度が高い傾向があったと述べています。
日本では昨年（2011年）3月、厚生労働省が出した「重篤副作用疾患別対応マニュアル－重度の下痢」で関連薬の1つとしてPPIの表記があります。薬事法に基づく副作用報告件数では、2007年に同薬使用例における下痢が5例報告されているといいます。
PPIの強力な胃酸分泌抑制作用がCDADや下痢の発症に関連するともいわれていますが、これは胃酸分泌抑制作用による病原微生物増加による腸内環境の変化と考えます。有用微生物がコントロール不能になったということです。
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