ビスホスホネート休薬で対側の非定型骨折リスク半減

発生頻度は極めて低いと言われていますが、経口ビスホスホネート長期服用例において大腿骨非定型骨折のリスクが上昇することが国内外で分かってきました。骨折を防ぐ薬で骨折が起こりやすくなるのですから困ったものです。

カナダの最近の研究では、ビスホスホネートを5年以上服用した高齢女性患者では、骨粗鬆症性に起因すると考えられる大腿骨定型骨折(転子間骨折、頸部骨折)が0.76倍低下する一方、同非定型骨折(骨幹部骨折、転子下骨折)は2.74倍上昇することが明らかにされています。

米国整形外科学会の2012年次学術集会が興味深いデータを発表しました。片側に非定型骨折が発生した場合、ビスホスホネートを休薬することで対側の非定型骨折のリスクが半減したといいます。

このような薬は反対側の大腿骨までレントゲン等の検査をしなければならなくなり、医療コストも逆に高くなるのではないかと危惧します。

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→今回発表されたのは、2007~09年の3年間に米カリフォルニア健康保険維持機構(HMO)に登録された45歳以上の女性患者のデータを解析したもの。ビスホスホネート服薬中に片側に大腿骨非定型骨折が発生した126例のうち、対側の非定型骨折が発生したのは、最初の発生後も3年以上ビスホスホネートを服用し続けた患者では53.9%だったのに対し、ビスホスホネートを休薬した患者では19.5%であった。休薬による対側の非定型骨折発生抑制効果は65.6%/年と計算された。

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