米国では年間推定10万人の高齢者が薬剤有害反応のために入院し、緊急入院の原因のほとんどが4つの一般的な製剤によることが、論文報告されました（New England Journal of Medicine」11月24日号）。この4製剤（糖尿病薬2製剤と抗凝固薬・抗血小板薬2製剤）が薬剤関連の緊急入院の3分の2を占めました。
米国疾病管理予防センター（CDC）は、全米の代表的データベースを用いて2007～2009年に65歳以上の高齢者に発生した薬剤有害事象（イベント）5,000例以上を特定し、それを用いて全人口での推定値を求めた。その結果、入院のほぼ半数（48％）を80歳以上の高齢者が占め、そのほぼ3分の2（66％）が意図的でない過剰服薬によるものでした。単独、併用にかかわらず最も多く列挙された4製剤は以下のとおり：
抗血小板薬または抗凝血固薬の主な問題は出血であり、インスリンやその他の糖尿病薬では症例の約3分の2が低血糖による錯乱や意識喪失、痙攣など精神状態の変化が関与していました。65歳以上の米国高齢者の40％は5～9種類、18％は10種類以上の薬剤を服用していました。
今回の結果から問題となるケースの82％は、治療を行う医師による単剤の過剰使用によるものであることが明らかになっています。多剤服用による症状は、今回の結果のように典型的でなく、評価しにくいという問題があります。
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