中等度〜高度のアルツハイマー型認知症に対するドネペジル＋メマンチンの有効性・安全性は？

中等度〜高度のアルツハイマー型認知症（AD）に対しドネペジル（アリセプト）23�r/日または10�r/日を実施した大規模多施設試験に参加した患者に対し、メマンチンを併用した際の有効性および安全性を検討した結果が報告されました（Dement Geriatr Cogn Disord. 2012; 33: 164-173. [Epub ahead of print]）。

その結果、ドネペジル（アリセプト）にメマンチンというアルツハイマー型認知症（AD）を加えても効果は変わらないことが報告されました。ドネペジル（アリセプト）23�r/日の方が10�r/日より効果があるということも報告されています。いずれも副作用の面では変わらないということでした。

ドネペジル（アリセプト）の副作用としては吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍などの消化器症状が多く、体重減少や徐脈による失神などがあります。そのほか、最近、筋肉が障害を受ける「横紋筋融解症」が起こることも報告されています。アルツハイマー型認知症（AD）に対して漫然と投与されことから、決して安全な認知症治療薬とはいえません。

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→24週の無作為化二重盲検比較試験のデータを事前に分析し、ドネペジル（アリセプト）の用量をランダム化したうえでメマンチン投与の有無にて層別化した。有効性および安全性はドネペジル（アリセプト）の用量ごとにメマンチンの併用の有無により評価した。

• 高度アルツハイマー型認知症（AD）患者ではメマンチンの併用の有無にかかわらず、ドネペジル（アリセプト）23�r/日群で有意な認知機能への影響を示した（p＜0.01、ベースライン値、地域、治療などで調整し、共分散分析[ANCOVA]にて解析）。
• ドネペジル（アリセプト）23�r/日群では全般機能、SMMSE（認知機能の指標）、日常生活の活動性において、メマンチン投与の有無による影響はなかった。
• 有害事象の発現率はドネペジル（アリセプト）23�r/日＋メマンチン群で80.7％、ドネペジル23�r/日単独群で69.7％、ドネペジル（アリセプト）10�r/日＋メマンチン群で66.7％、ドネペジル（アリセプト）10�r/日単独群で62.0％であった。また、有害事象の重症度は大部分が軽度であり、高度アルツハイマー型認知症（AD）患者では中等度であった。
• 重篤な有害事象の発現率はメマンチンの投与にかかわらず低かった（＜1.0％）。

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