脳のトレーニングでドパミンが増加

作業記憶のトレーニングを行うと、脳の固有の領域において神経伝達物質のドパミン放出が増加することが論文報告されました（Science（2011; 333: 718）。

作業記憶のトレーニングにより、尾状核におけるドパミン放出が増加します。尾状核は新皮質の下部に位置し、ドパミンの流入が特に多い領域です。作業記憶の向上にドパミンが重要な役割を果たし、トレーニングによって作業記憶が向上することを示唆しています。

身体も脳もある一定の負荷がかかることが快の感情につながるようにできているのです。これはおそらくミトコンドリアのフリーラジカルの発生をおさえ、エントロピーをうまく放出させることにつながるのですね。

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→今回の研究では、19〜33歳のフィンランド人男性20例のうち、10例を作業記憶のトレーニングとして5週間の文字記憶作業タスクを課すトレーニング群に、10例を対照群にランダムに割り付けた。トレーニング群には1週間に3回、スクリーン上に映し出される7〜15個の文字を45分間だけ見せ、最後の4文字を正しい順番で記憶できているか否かを判定した。

その結果、トレーニングを受けていない対照群と比べて、トレーニング群では作業記憶が徐々に向上することが示された。また、PETスキャンではトレーニング後に尾状核でのドパミン放出が増加し、トレーニング中とトレーニング前に見られたドパミンの放出がトレーニング後には著明に増加することが示された。さらに、トレーニング後の能力向上は、トレーニングをしていない他の作業でも認められた。

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