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アルツハイマー型認知症:修正可能な7つの生活習慣の是正で大きな予防効果

アルツハイマー型認知症(AD)の発病に関連する危険因子には、修正可能な7つ(喫煙、低身体活動、低教育水準、中年期高血圧、糖尿病、中年期肥満、うつ)が含まれ、これらが関与しているとみられる症例は最大で世界の症例の半数に上るとする分析結果が報告されました(Lancet Neurology 2011; 10: 819-828)。

認知症は、高齢者における障害の大きな原因の1つで、アルツハイマー型認知症(AD)患者は世界で3,390万人と推定されています。さらに40年後には3倍に増加すると予想されています。しかし、アルツハイマー型認知症(AD)の病態を改善させる薬剤が現存しないこと、そして器質的な変化から症状が現れるまでに何年もかかり、時には数十年を要することから、どのような予防戦略が有効かという問題に関心が高まっています。

今回、心血管系の危険因子、心理的因子、健康的な行動など、アルツハイマー型認知症(AD)との関連を示すこれまでのエビデンスについて分析しています。分析には2010年に米国立衛生研究所(NIH)が発表した、アルツハイマー型認知症(AD)と認知症の危険因子に関連するエビデンスの包括的なシステマチックレビューなどを用いています。

その結果、修正可能な危険因子として、喫煙、低身体活動、低教育水準、中年期高血圧、糖尿病、中年期肥満、うつの7因子を同定しました。

さらに、アルツハイマー型認知症(AD)発症を遅らせるのに有効な介入法を明らかにするため、最近のシステマチックレビューとメタアナリシスのデータを用いて、リスクを軽減させたときに、どの程度のアルツハイマー型認知症(AD)症例を予防可能か検討しています。

その結果、これら7つの因子が関与しているとみられる症例は、世界と米国でそれぞれ最大約50%(それぞれ1,720万人、290万人)に上ることが示唆されました。また、それらのリスクをすべて10~25%軽減できれば、アルツハイマー型認知症(AD)患者を世界で110万~300万人、米国で18万4,000~49万2,000人も減少できる可能性があることが分かったといいます。

各因子について見ると、教育水準の低さが関連しているとみられるアルツハイマー型認知症(AD)症例は650万人(19%)、次いで喫煙470万人(14%)であった。また、運動不足は、世界では第3位(430万人、13%)、米国では第1位(110万人、21%)の因子でした。



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