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アルツハイマー型認知症、新薬相次ぎ登場

認知症の国内患者数は現在約200万人と推計され、このうちの約半分がアルツハイマー型とされる。高齢化の進展を背景に認知症患者数は30年には350万人以上に増加するとの予測もあります。

国内で初のアルツハイマー型認知症(AD)治療薬としてアリセプトが発売されたのは1999年で、10年以上も他の新薬がありませんでした。今年3月にヤンセンファーマと武田薬品工業が「レミニール」を発売。6月には第一三共が「メマリー」の販売を開始するほか、ノバルティスファーマと小野薬品工業が今夏に抗認知症薬としては国内初となる貼付剤を市場投入する見通しです。

メマリーは独メルツファーマシューティカルズが創製したNMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体拮抗薬。コリンエステラーゼ阻害薬のアリセプトやレミニールと作用機序が異なり、NMDA受容体の活性化を抑制して神経細胞を保護するほかシグナル伝達におけるノイズを低減し、アルツハイマー型認知症(AD)に伴う諸症状を改善するとしています。

第一三共は症状が中等度以上のアルツハイマー型認知症(AD)患者への第1選択薬を目指し、作用機序の違いや既存薬との併用ができる点も訴求して市場に攻勢をかけるようです。

経皮吸収型貼付剤リバスチグミン(一般名)は、4月22日に厚生労働省が承認しました。7月が予定されている薬価収載を経て、ノバルティスが「イクセロンパッチ」、小野薬品が「リバスタッチパッチ」の商品名で発売します。スイス・ノバルティスが創製したコリンエステラーゼ阻害剤で、軽度〜中等度アルツハイマー型認知症(AD)の標準治療薬の1つとして世界82カ国以上で承認(11年1月末現在)されています。

アリセプトは軽度から高度のアルツハイマー型認知症(AD)に使用可能ですが、適応が軽度〜中等度のレミニールとリバスチグミン、中等度〜高度のメマリーとで治療選択肢が拡がるとしています。

いずれも症状の進行抑制薬であり、根治や発症予防ではありません。つまり、「対処療法」という製薬会社にとってのドル箱なのです。



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