アルコールを飲み喫煙しない女性はアルツハイマー型認知症（AD）発症リスクが低い

アルコールは飲むが喫煙しない人、特に女性はアルツハイマー型認知症（AD）の発症リスクが低いことが報告されました（Journal of Aizheimer's Diseaseの5月号）。

アルツハイマー型認知症（AD）における喫煙とアルコールの役割はいままで明らかにされていませんでした。今回の研究では、アルツハイマー型認知症（AD）患者さん176例と年齢をマッチさせたコントロール246例を対象に、アルツハイマー型認知症（AD）のリスクに対する喫煙とアルコールの影響を評価されました（症例対照研究）。

その結果、アルツハイマー型認知症（AD）のリスクに喫煙の影響は観察されませんでした。一方、アルコール摂取者は非摂取者と比べ補正後のアルツハイマー型認知症（AD）発症オッズ比（OR）が0.53と低く、男性のOR 0.80に対して女性ではOR 0.48と性差がありました。また、女性では1日の平均アルコール総摂取量および摂取回数とアルツハイマー型認知症（AD）保護作用との間に用量反応性の関係が認められました。

さらに、男女とも喫煙しないアルコール摂取者でアルツハイマー型認知症（AD）リスクの低下が見られました（OR 0.37）。これらの関係は、アルツハイマー型認知症（AD）患者のアポリポ蛋白E4対立遺伝子の存在とは独立していたといいます。

通常アルコール摂取によって脳細胞の死滅が早まる結果が出ていますが、この脳細胞死滅はアルツハイマー型認知症（AD）以外の認知症には関係している可能性があるものの、今回の結果からはアルツハイマー型認知症（AD）とは関係していないと解釈できますね。

アルコール摂取によるストレス解消や人とのコミュニケーションの促進といった面で、認知症にとってはプラスに働くことも考えられます。この場合は、一人で酒を飲む場合はマイナスに働くことにもなるといえそうです。

アルコール摂取は社会的な要素が多いためそのような研究も行ってほしいと思います。喫煙の方は、有害にしかならないという結果はうなずけますね。ストレス発散の一番手軽な習慣にもなっていますが、喫煙はあくまでも他人に迷惑をかけないことが大切です。

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