アンチエイジングの戦略2
皮膚若返り光線力学療法
ある種の可視ないし赤外線のレーザーや光源は、皮膚の外観に対し臨床的および組織学的(顕微鏡的)に有益な変化をもたらすことが報告されています。このことから、近年、光感作物質を用いて光線療法の効果を高めることが模索されています。
美容的治療における光線力学療法(PDTでは、光照射で活性化される5-アミノレブリン酸(5-ALA)などの外用薬による局所療法が行われています。今回、光感作物質を用いた光線力学療法(PDT)は、老化した皮膚を分子レベルで変化させ、これによりコラーゲン(I型コ ラーゲン、III型コラーゲン)産生が増加し、皮膚の外観が改善されると報告されました(Archives of Dermatology(2008; 144: 1296-1302))。
光線力学療法では、線維芽細胞内のミトコンドリアという器官を活性化するためにコラーゲン産生が高められるのでしょう。
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→前腕部に日光による皮膚損傷を有する54〜83歳の成人25例を対象に、この治療法を検討した。治療前に、皮膚損傷の程度が 評価され、生検試料が採取された。5-ALAを含む溶液を治療部位に塗布し、3時間放置した後、クレンザーで洗浄してからパルス色素レーザーを照射した。 被験者はその後、6か月のフォローアップ期間中に4〜5回の再検査と生検を受けた。
光線力学療法後の組織サンプルでは、新たな皮膚細胞の成長・発達に必要なKi67蛋白質が5倍に増加していた。また、外皮の厚さは1.4倍になり、皮膚のおもな構成蛋白質であるコラーゲンの産生にかかわる酵素や他の物質も増加していた。
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