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アンチエイジング:ホルモンの代わりに筋力トレーニングを

現代人の食生活を含めたライフスタイルでは加齢とともに,性ホルモンと成長ホルモンの分泌が低下し,その結果,筋肉量や骨密度が減少して筋力や持久力が低下することが分かっています。今回、ドイツ内分泌学会の第55回シンポジウムでホルモンを投与する代わりに,1回2時間の筋力トレーニングを週2回行うことで,多重疾患のある患者でも運動機能を大幅に改善させることができることが報告されました。

ザンクトガレン高齢者病院高齢者健康専門センター(スイス・ザンクトガレン)は,ドイツ内分泌学会の第55回シンポジウムで「体力が著しく低下した80歳代半ばの高齢者19例に対して週3回,成長ホルモンを投与したところ,体重の増加と歩行速度の上昇が認められたものの,インスリン抵抗性も上昇していた」ことを報告しました。

また男性では,テストステロンの投与により筋肉量を増加させ筋力を高めることが可能だが,それを維持するためには長期投与が必要で,前立腺がんのリスクも懸念されると指摘されています。

今回,多重疾患のある高齢患者を対象に,1回2時間の筋力トレーニング(運動機能と注意機能のトレーニングも併用)を週2回行う筋力トレーニング群と同時間椅子に座ったまま一般的な体操を行う対照群を比較。その結果,開始から3カ月後の運動機能は,対照群と比べ筋力トレーニング群では有意に優れており,最大筋力は約50%増加していたといいます。これはなんと30年間で失われる筋力に相当するといいます。

特に,開始前に運動能力が低かった患者と認知症患者で最も高い効果が得られ,階段の昇降や椅子からの立ち上がりが改善。さらに,認知機能と精神状態の改善も認められたようです。

実はこれは私が指導している身体運動の効用のひとつを追認したにすぎません。いかに狩猟採集時代の身体活動が大切かを再認識していただきたいと思います。



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