加齢皮膚に対するPRP療法
PRP療法は高濃度血小板から放出される成長因子、白血球、フィブリノーゲン、各種凝固因子および酵素などを皮膚へ直接注射することで老化した組織の修復、再生を期待するもので、臨床効果として皮膚の柔軟性、張りの回復、ちりめんじわの改善が見込まれています。
PRP作製には各種作製キットが用いられます(PRPの性状を全血と比較した例をあげると、血小板濃度は約3倍、赤血球は5×104/μL以下、血液像は単核球が同等〜2分の1、リンパ球が約2倍、好中球は含まれない)。
注射時はPRP内血小板の活性化を目的に、PRP10分の1量の1%キシロカインEの添加、ホットタオルによる加温を行う。眼の下には3〜5mm間隔、頰には5〜10mm間隔で真皮内および真皮直下皮下脂肪層に注射します。その結果、注射針による物理的組織損傷とこれに続く炎症反応惹起、血小板内の成長因子およびサイトカインの放出、創傷治癒機転が生じると考えられています。下眼瞼皮膚の組織学的検討からは、真皮コラーゲン構造の保持、炎症細胞の浸潤が認められるといいます。
無理に皮下に炎症を起こさせ、治癒過程で皮膚の構造を変えようというものですが、即時効果はなく、症例によって効果に差があるようです。
問題点として、PRPの血小板濃縮率の規定や再現性のある効果判定法がないこと、効果を実感できない症例が認められることが挙げられます。また、血小板活性化作用を向上させるとして使用されるb-FGF添加時は、繰り返し出現し、長期間持続する膨隆の副作用が認められることがあるといいます。
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