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加齢による骨粗鬆症:皮質の骨量が診断と治療に重要

女性のアンチエイジングでは骨粗鬆症の対策が必要となります。今回、高齢者の骨折に関して現在受け入れられている見解に反し、それらの骨折は実際にはほとんど65歳以降に椎骨以外の部位に、海綿骨で はなく皮質骨の骨量減少の結果として生じるとする研究結果が報告されました(Lancet(2010; 375: 1729-1736)に発表した。

過去70年間、骨粗鬆症の研究は海綿骨の骨量減少と、海綿骨を豊富に含む椎骨の骨折に焦点を合わせてきました。しかし、高齢者の骨折の80%は椎骨以外の部位の、おもに皮質骨で起きているという結果が明らかになりました。

皮質骨とは骨の表面の部位に位置します。

その原因として海綿化により海綿骨のようになった皮質骨の領域が現在の方法では海綿骨と間違われ、海綿骨の骨量減少として評価されているのではないかと推測されています。

骨そしょう症は、骨構造、特に有孔化した皮質の遺残領域を評価すると骨折のリスクの予測がつきそうです。

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→成人の白人女性122例と死後検体24例を対象に、高解像度X線CTと電子顕微鏡を用いて、加齢による骨密度と皮質骨の多孔度への影響を検討し、また橈骨遠位端(腕で最も骨折の多い部位)の皮質骨と海綿骨の減少量 を比較しました。さらにこれらの情報から、皮質骨と海綿骨の骨量・骨密度に関する年齢差を算出しました。

50〜80歳の橈骨遠位端の骨量減少を見たところ、減少量は50〜64歳で16%、65歳以上で84%でした。ヒドロキシアパタイト(骨塩)はこの間に106.5mgが失われ、このうち68%は皮質骨から、32%は海綿骨からでした。

橈骨遠位端におけるヒドロキシアパタイトの密度は、海綿骨では50〜64歳から80歳以上の間に、皮質骨の残存領域を除外する前で18.2mg/cm3、後では68.7mg/cm3減少していました。同じく皮質骨では、有孔度増加により海綿化した皮質骨を含める前では127.8mg/cm3、後では374.3mg/cm3減少していました。

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