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中年期の肥満で女性の健康長寿の可能性が低下

女性では、18歳から中年になるまでに体重が増えるほど健康長寿の可能性が低下するとの知見をBMJ(2009; 339 b3796)に発表されました。過体重と肥満が早期死亡リスクを有意に高めるとするエビデンスはすでにあります。そこで今回は高齢者の全般的な健康に中年期の肥満がどのように影響するかが調べられました。

「70歳以上で主要な慢性疾患がなく、認知機能も心身の状態も良好な状態にあること」を健康長寿と定義しています。

中年期に肥満(BMI 30以上)であった女性では、スリム(同18.5〜22.9)な女性に比べ、70歳以上まで健康に生きる可能性のオッズが79%低下することが示されました。

このことから成人期の早い段階から運動を定期的に行うなどストレス対処をうまく行うことで健康体重を維持することがアンチエイジングでは必要となります。

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→対象は女性看護師保健研究(NHS)の参加者のうち70歳以上まで存命で、中年期に慢性疾患がなかった女性1万7,000例超。これらの女性から高齢期における慢性疾患の有無や認知機能、身体機能、メンタルヘルスに関する情報を収集した。

なお、今回の研究では「70歳以上で主要な慢性疾患がなく、認知機能も心身の状態も良好な状態にあること」を健康長寿と定義した。

複数の因子を調整して分析した結果、研究開始時のBMI高値は健康長寿オッズの低下と有意に関連していた。BMIが1増加するごとに健康長寿のオッズは12%低下した。

同様に、体重が変わらない例に比べ、18歳以降の体重増加も健康長寿オッズの低下と有意に関連していた。18歳以降、体重が1kg増えるごとに健 康長寿オッズは5%低下した。健康長寿のオッズが最低だったのは、18歳時に過体重で、中年期までに10kg以上体重が増えた場合であった。

しかし、18歳時にスリムであった女性でも、安定した体重を維持した例に比べて、中年までに10kg以上体重が増えた例では健康長寿を達成する率が59%低下した。

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