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ブルーベリーに加齢による認知機能低下予防効果

ブルーベリーなどの小果実類が脳の慢性炎症を抑制し、アルツハイマーや加齢による認知機能の低下を軽減することが、米国神経科学会(SFN)の年次集会で発表されました。

アラスカ大学フェアバンクス校(アラスカ州フェアバンクス)のThomas Kuhn博士らは、アラスカに自生するボグ・ブルーベリーには中枢神経系における炎症反応の抑制に効果がある化合物が含まれることを見出しました。

同博士の研究では、アラスカボグ・ブルーベリーの成分と神経細胞中の特定の蛋白質分子の間の相互作用により、炎症の有害作用が抑制されることが明らかになりました。この相互作用の解明は、脳・脊髄の炎症を軽減する新たな薬物療法の開発につながる可能性がある。

同博士によると、野菜や果物の保健効果は、おもに強力な抗酸化作用を持つポリフェノールによるが、驚くべきことに、アラスカボグ・ブルーベリーの成分は抗酸化物でもポリフェノールでもなく、特異的抑制因子として作用しているという。

同博士の研究室で、神経炎症の細胞モデルを使用して腫瘍壊死因子(TNF)αに神経細胞を曝露させたところ、最終的に神経細胞死に至るアミロイドカス ケードの急速な発現が認められました。TNFαは脳・脊髄における炎症の中心的なメディエーターですが、アラスカボグ・ブルーベリー抽出物を神経細胞に添加すると、TNFα曝露神経細胞の変性を効果的に防ぐことができたようです。

アルツハイマー型認知症(AD)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症などの慢性神経変性疾患の大部分、あるいは脳卒中や頭部外傷などの急性脳損傷は、脳・脊髄の慢性炎症を伴います。また、炎症はうつ病や自閉症などの精神疾患や発達障害、さ らには正常な老化過程においても高率に認められます。

ブルーベリーは「目に良い」のでなく、「アンチエイジングに良い」というべきでしょう。

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