アンチエイジング戦略に再考の余地か少食の有用性は肥満マウスのみ
南カリフォルニア大学(USC、ロサンゼルス)薬学部のRajindar S. Sohal教授らは、少食は肥満マウスにのみアンチエイジング効果があるとJournal of Nutrition(2009; 139: 533-539)に発表しました。
肥満個体に限れば、身体活動を増やすよりも、カロリー制限のほうが望ましいが、痩せた人や老齢の人では、カロリー制限はアンチエイジングどころか、健康を損なう可能性があるということです。
これは、痩せすぎも太りすぎも標準体重の人より死亡率が高いという他の研究と同じ結果です。老化やアンチエイジングのためのダイエットもほどほどに。
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→2種類の遺伝子組み換えマウス、C57BL/6とDBA/2でカロリー制限した場合の寿命を比較した。C57BL/6マウスは"太る"系統として知られ、成体の期間に体重がおよそ2倍になる。一方、DBA/2マウスは"やせ"系統で、肥満にならない。
研究の結果、カロリー制限によってC57BL/6マウスには延命効果が見られたが、DBA/2マウスでは寿命が延長することはなかった。さらに、野生型マウスでは、遺伝子組み換えマウスよりも短命になった。
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