米で咽頭・口腔がんの死亡率低下

1993年から2007年にかけて米国の咽頭がんと口腔がんの死亡率は男女ともに低下し，中でも教育年数が12年以上の人口集団で低下度が最も大きかったとする研究結果が発表されました（Archives of Otolaryngology-Head and Neck Surgery（2011; 137: 1094-1099）。

米国では肺がん，乳がん，前立腺がん，大腸がんなど主要ながんの死亡率は，危険因子の減少や診断・治療技術の向上により1990年代初頭以降低下しています。しかし，論文の背景情報によると，25〜64歳人口における死亡率の低下は，教育レベルの高い患者に限られているといいます。

今後は１％と９９％に世界が分極するにつれ、教育レベルと経済レベルの両方で死亡率に差ができてくるでしょう。しかし、それが一巡すれば、かならず１％にも影響が出てきます。

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→米疾病対策センター（CDC）が提供する医学統計データであるNational Center for Health Statisticsを用いて，教育レベル，人種・民族，性，さらにヒトパピローマウイルス（HPV）感染との関連別に，咽頭がん患者と口腔がん患者の死亡率の推移を検討した。対象は，米国26州の25〜64歳の白人とアフリカ系米国人の男女とした。

解析の結果，咽頭がん患者と口腔がん患者の全体的な死亡率は，1993年から2007年にかけてアフリカ系米国人と白人の男女いずれにおいても低下していた。しかし，白人男性の死亡率は99年以降一定していた。また，人種や民族に関係なく教育年数12年超の男女で死亡率が有意に低下していた（アフリカ系女性は除く）。死亡率が最も大幅に低下したのは，アフリカ系米国人の男女のうち教育年数が12年の集団だった。一方，白人男性の死亡率は教育年数が12年未満の集団では，95年から2002年にかけて年間6.8％のペースで上昇していた。なお，HPV関連がんと非HPV関連がんでは，死亡率の傾向が大きく異なっていた。

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