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パリフェルミンが化学療法による重症口腔粘膜炎(口内炎)を予防

がん化学療法による口腔粘膜炎の予防にpalifermin(遺伝子組み換え型ヒト・ケラチノサイト成長因子)が有効であることを示すデータが、報告されました( Annals of Internal Medicineの9月21日号)。

口腔粘膜炎(口内炎)はがん化学療法(抗がん剤)の重篤な合併症の一つです。

対象は肉腫患者48例で、2対1の割合でpalifermin群とプラセボ群にランダムに割り付けられました。患者は全例、抗がん剤ドキソルビシンをベースとした治療を受けました。化学療法の各コースの3日前にpalifermin(180μg/kg)またはプラセボを単回静注しました。プラセボ群で重度の口腔粘膜炎(口内炎)を発症した患者さんには、その後のコースではオープンラベルでpaliferminを投与しました。

盲検での化学療法の施行中央値はpalifermin群が6コース、プラセボ群が2コースでした。その結果、プラセボ群と比べpalifermin群 では中等度~重度(グレード2以上)の口腔粘膜炎(口内炎)の累積発症率が半減し(88%対44%、P<0.001)、重度(グレード3~4)の粘膜炎の発症も有意に減少しました(51%対13%、P=0.002)。おもな有害事象は、口腔粘膜の肥厚(palifermin群72%、プラセボ群 31%、P=0.007)と味覚の変化でした。

プラセボ群で重度の口腔粘膜炎(口内炎)を発症した8例中7例がオープンラベルでのpalifermin投与を受け、その後の化学療法では重度の粘膜炎は見られませんでした。

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