頭痛薬の過剰使用は逆効果

英国立臨床評価研究所（NICE）は2012年9月19日，若年者および成人の頭痛診療に関するガイドライン“Headaches Diagnosis and management of headaches in young people and adults”を発表しました。

同ガイドラインでは，頭痛患者の多くは正確な診断を受けておらず，医療者側も診断に難渋する場面があると指摘。今回，12歳以上の若年者や成人において最もよく見られるタイプの頭痛の診断と管理に関する勧告が示されています。

NICEによると，頭痛にはおよそ200もの分類が存在しますが，95％は治療可能な4つの障害，すなわち緊張型頭痛，片頭痛，群発頭痛，薬物乱用頭痛（MOH）だとしています。

薬物乱用頭痛（MOH）は月に10日，あるいは15日以上の薬剤服用が3カ月以上継続していることと定義されている。薬物乱用頭痛（MOH）の診断基準としては「トリプタン，オピオイド，エルゴタミン，あるいはこれらの薬剤と鎮痛薬の併用が月10日以上」「パラセタモール，アスピリン，非ステロイド抗炎症薬（NSAID）あるいはこれらの併用が月15日以上」であることが示されています。

緊張型頭痛や片頭痛の患者が症状の増強でさらに薬剤を使用し，それがさらに症状を増悪させる悪循環に陥ることがあると指摘しています。

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