前兆のある片頭痛は死亡の独立危険因子

前兆のある片頭痛は死亡の独立した危険因子であると、アイスランドのグループが報告しました（BMJの9月4日号）。

片頭痛、特に前兆（神経学的症状、多いのは閃輝暗点）を伴う片頭痛と、虚血性脳卒中や他の虚血性血管イベントの間に有意な関係があるとの報告がすでにあります。前兆のある片頭痛患者の虚血性脳卒中リスクは、頭痛のないグループの約2倍というデータも示されています。

今回の報告は、1907〜35年生まれの男女1万8,725例を対象としたレイキャビク研究に基づくもの。67〜91年の登録（平均年齢53歳）から中 央値で25.9年間（47万990人年）追跡し、頭痛（前兆のある片頭痛、前兆のない片頭痛、片頭痛以外の頭痛）と死亡との関係を調べました。

追跡中の死亡は1万358例で、心血管疾患（CVD）による死亡が4,323例、他の原因による死亡が6,035例でした。多変量解析の結果、非頭痛群と比べ前兆のある片頭痛群は全死亡とCVD死のハザード比（HR）がそれぞれ1.21、1.27と有意に高かった。一方、前兆のない片頭痛と片頭痛以外 の頭痛では死亡リスクの上昇は見られませんでした。

前兆のある片頭痛患者さんは、冠動脈性心疾患と脳卒中による死亡リスクが高かった（HRはそれぞれ1.28、1.40）。また、女性の前兆のある片頭痛患者ではCVD以外の死亡リスクも高かった（HR 1.19）。

前兆を伴う片頭痛は、喫煙や糖尿病、高血圧などの既知の危険因子ほど強力ではありませんが、心血管死亡、全死因死亡の独立した危険因子でした。片頭痛によるストレスによるものなのか、それとも片頭痛に伴う慢性炎症によるものか、今後の解析が待たれます。

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