10歳代の慢性頭痛と不健康な生活習慣が関連、ノルウェー研究

10歳代では不健康な生活習慣と慢性頭痛が関連しており、過体重、運動不足、喫煙の3要素すべてを満たした群では、すべての要素がない群と比べて慢性頭痛リスクが3.4倍だったという研究結果が報告されました（Neurology8月18日オンライン版）。

この研究は、Nord-Trøndelag Health Study（Helseundesøkelsen I Nord-Trøndelag；HUNT）の一部として実施された。同調査では、1995年8月〜97年6月にヌール・トロンデラーグ県在住の中高生 5,847人を対象に、肺活量や身長、体重などとともに、頭痛聞き取り調査や学校外での運動頻度、喫煙に関連したアンケートを実施。慢性頭痛は聞き取りを行った看護師によって片頭痛、緊張型頭痛、分類不能頭痛の3つに分けられました。

各情報が集積できた5,588人（男子2,680人、女子2,908人）を対象に、「学校外での運動頻度が週2回以下」「喫煙があり」「過体重もしくは肥満」がすべて当てはまる場合を生活習慣不良群、2つ当てはまる場合を生活習慣やや不良群、1つ当てはまる場合を生活習慣中等度群、すべて当てはまらない場合を生活習慣良好群とし、慢性頭痛との関連を分析しました。

5,588人のうち過体重は891人（男子421人、女子470人）、低運動頻度は1,717人（同700人、1,017人）、喫煙1,069人 （同440人、629人）で、慢性頭痛を訴えているのは1,601人（同554人、1,047人）。頭痛のタイプでは緊張型頭痛が950人で最も多かった。

慢性頭痛の発症率は、良好群の24.5％に対して不良群では54.7％で、3.4倍のリスク上昇が認められた（オッズ比3.4、95％CI 2.2〜5.2、P＜0.0001）。中等度群のオッズ比は1.3（95％CI 1.1〜1.4）、やや不良群は1.8（同1.5〜2.1）となっています。

一方、生活習慣項目別の慢性頭痛リスクを見てみると、過体重はオッズ比1.4（95％CI 1.2〜1.6、P＜0.0001）、低運動頻度は1.2（同1.1〜1.4、P＝0.002）、喫煙は1.5（同1.3〜1.7、P＜0.0001）。過体重と喫煙は性差が認められなかったものの、低運動頻度は女子で有意差が消失していた。また、過体重と片頭痛および緊張型頭痛、低運動頻度と緊張型頭痛、喫煙とすべての分類の頭痛で有意な相関が認められました。

以上から生活習慣が頭痛に関連することを、若年者でも明らかにされています。あくまでも不良な生活習慣と頭痛の相関関係が示されただけですので、因果関係とは言い切れませんが、ライフスタイルを改善することで頭痛が予防できることを強く示しているといえるでしょう。

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