片頭痛の病歴がある女性は閉経後乳がんのリスクが低い

片頭痛の病歴の有無が閉経後乳がんのリスクと関係している可能性があると、米国の共同研究グループがJournal of Clinical Oncology（2月20日号）で報告されています。

片頭痛の病歴がある女性は乳がんのリスクが低いという報告は2008年にも報告されています『Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention』。

今回の研究では、Women's Health Initiative Observational Studyに参加した50〜79歳の女性9万1,116例を対象に検証しました。1993〜98年の登録から2005年9月までの乳がん診断は 4,006例でした。

解析の結果、片頭痛の病歴がある女性は病歴がない女性と比べ乳がんのリスクが低い結果が出ました〔ハザード比（HR）0.89，95％信頼区間 0.80〜0.98〕。この関係は、非ステロイド抗炎症薬の使用によって変わることはありませんでした。

片頭痛の病歴による乳がんのリスク低下は、エストロゲンとプロゲステロン受容体がともに陽性のがんで強かったということです（HR 0.83）。

以上の結果は、エストロゲンとプロゲステロンといったホルモンが片頭痛に保護的に働くことが考えられます。経口避妊薬は片頭痛を抑える可能性はありますが、副作用の点を考えると個々に判断する必要性があります。

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