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精度100%が期待できる新しい卵巣癌早期検査法

新しい卵巣癌(がん)のスクリーニング法により、早期段階の検査で100%の精度が得られる可能性があることが報告されました(Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention Research,オンライン版で8月10日)。

この検査法では1滴の血液を採取するだけでよく、その分子を気化させ帯電させた後、質量分析法(mass spectrometry:MS)と呼ばれる最先端技術により分析します。

現在は早期に卵巣癌を検出できる有効なスクリーニング法がないため、卵巣癌患者の約80%は疾患がかなり進行してから診断されます。そのうち治癒の可能性があるのはごく一部ですので、卵巣がんのハイリスク集団にのみこの検査方法を利用したとしても、卵巣癌治療が大きく向上する可能性があります。

研究グループによると、被験者94人を対象とした初回試験の結果、この方法によって卵巣癌患者を正確に特定することができ、44人が卵巣癌で、50人が良性でした。

前回に記載しましたが、今年(2010年)6月には、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で英国の研究グループが別の有望な卵巣癌スクリーニング法について発表しています。この方法は、数学モデルを利用して閉経後女性の卵巣癌リスクを正確に示すもので、極めて高い精度(99.7%)が認められていますが、その有効性を評価する研究は現在も進行中です。

今後の卵巣がん早期発見の検査方法の進展に期待しましょう。


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