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卵巣がん症状は早期発見に寄与せず

腹痛、腹部膨満、頻尿などの特定の症状をきっかけとして卵巣がんの検査を行っても、より早期の発見にはつながらず、症状のある一般女性で実際に卵巣がんと診断されるのはわずか100人に1人にすぎないとの研究結果をJournal of the National Cancer Institute(2010; 102: 222-229)に発表されました。

2002〜05年に卵巣上皮がんの診断を受けた患者さん(35〜74歳)812例を対象に聞き取り調査を実施し、地域住民をベースとした対照被験者(卵巣がんでない女性)1,313例の調査結果と比較。合同声明で推奨されているsymptom indexと症状について感度、特異度、陽性的中率を検討しました。

卵巣上皮がん患者さんのほとんどは症状が診断前の5か月以内に発現しており、また早期卵巣がん患者さんでは、症状(悪心を除く)が発現する傾向は進行卵巣がん患者よりもわずかに弱い結果でした。症状による陽性的中率の推定値は全体で0.6〜1.1%、早期がんでは0.5%未満でした。

この結果からは、卵巣がんを1例検出するには症候性女性100例が必要であると計算となり、症状を卵巣がんの精密検査開始のきっかけとするには医療経済上も見合わないことになります。卵巣がんはまだまだ疑ってかからないと診断できない潜在性の病気なのです。


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